Mac bookのシステム環境設定がiPhoneと同じ画面に変わったことで、省エネルギー設定の項目が消えてしまい、スリープさせたいタイミングを設定できなくなってしまいました。

Mac OS Venturaから電源に関するスケジュール機能がなくなった影響で、視覚的に設定することが不可能に。
正確には設定できなくなったわけではないのですが、誰でも簡単に設定できる画面が、ややこしい設定方法に変わってしまった。ということです。
私個人としては、ややこしい設定方法でもなんとか大丈夫なのですが、確実にハードルは上がったと言えるでしょう。
どのように設定するのか見ていきましょう。
命令文で指定する
以前は、たしかバーを動かすことで何分後、何時間後、といった設定ができたハズなのですが、現在はターミナルを使用して、命令文(コマンド入力)で指定する必要があります。
ターミナルはアプリケーションフォルダのユーティリティフォルダ内にあり、これを起動し、「pmset」コマンドというものを入力します。


pmsetというのはスリープやスープ解除、電源オンオフといったMacのシステムの起動をコントロールするコマンドです。
その日の時間を秒単位で管理したり、曜日単位、曜日と時間で管理することができます。
電源管理コマンド pmset
例えば私は、深夜にアプリケーションを起動し、タスクが終了したらスリープさせたいので、毎日朝2時にスリープするコマンドを入力します。
まずは、2024年4月17日のAM2:00にスリープさせるなら、
sudo pmset schedule sleep "06/17/24 2:00:00"
となります。
sudoに関しては後述しますが、ここではセットになってついてくる必須コマンドだと思ってください。
「sudo」+「pmset」+「schedule」+「sleep(操作内容)」+「”月/日/年(曜日) 時:分:秒(時間)”」
これが単発(1回のみ)のスリープコマンドです。
この動作を毎日繰り返すので、
「sudo」+「pmset」+「schedule」+「sleep(操作内容)」+「”日曜〜土曜(曜日) 時:分:秒(時間)”」
のように日付を曜日に変えます。
曜日で繰り返す
毎日繰り返すためには、曜日の部分に日付指定はできないため、次のような形式を使います。
U:日曜
M:月曜
T:火曜
W:水曜
R:木曜
F:金曜
S:土曜
「sudo」+「pmset」+「schedule」+「sleep(操作内容)」+「”日曜〜土曜(曜日) 時:分:秒(時間)”」
この型に当てはめコマンドにすると、
sudo pmset schedule sleep "UMTWRFS 2:00:00"
これで日曜〜土曜日まで、毎日朝2:00にスリープに入ります。
さて、次に必ずやっておくべきことがあります。それは、確認です。
コマンド入力は効いているのか?
実際にコマンド入力したはいいものの、コマンドが効いていない。ではいけません。自分が入力したコマンドが聞いているのか確認するために、次のコマンドを入力して下さい。
pmset -g sched
ここではsudoは必要ありません。
毎日AM2時にスリープさせるコマンドが有効で、次のように表示されていればOKです。

Repeating power events: sleep at 2:00AM every day Scheduled power events: [0] wake at 06/17/2024 23:25:32 by 'com.apple.alarm.user-visible-com.apple.CalendarNotification.EKTravelEngine.periodicRefreshTimer' [1] wake at 06/18/2024 13:56:16 by 'com.apple.alarm.user-visible-com.apple.acmd.alarm'
コマンドを解除する
設定したコマンドを解除するには、次のようにターミナルに入力します。
繰り返しのコマンドであれば
sudo pmset repeat cancel
単発(1回だけ)のコマンドであれば
sudo pmset schedule cancel (スケジュール番号)
先程の確認コマンドでこのように単発スケジュールが表示されていれば、
Scheduled power events: [0] sleep at 06/17/2024 2:00:00 by 'pmset'
[0]の0がスケジュール番号になります。
スリープ以外の操作
スリープ以外の電源管理として、スリープ解除、パワーオン、パワーオフ、スリープ解除orパワーオンがあります。それぞれのコマンドは以下のとおりです。
shutdown:シャットダウン
poweron:パワーオン
sleep:スリープ
wake:スリープ解除
wakeorpoweron:スリープ解除orパワーオン
「sudo」+「pmset」+「schedule」+「(操作内容)」+「”月/日/年(曜日) 時:分:秒(時間)”」
必要な操作を、これの(操作内容)に置き換えて使うことになります。
sudoとは
スケジュール設定の際に使う「sudo」というのは「superuser do」の略で、スーパーユーザ(ルートユーザ)という意味があります。
今回のようなスケジュール設定をするとき、システムの管理者またはルートユーザである必要があるとされます。
一つのMacを複数人で使用するとき、管理者以外がスケジュール設定をすることはできません。なので、管理者が権限を使って操作するために必要なのが、「sudo」。
管理者の権限でスケジュール設定しますよ。というのがsudoの役割です。
ターミナルは上級者向けとされていて、取っ付きにくいです。しかし、ある程度慣れることができれば、細かい設定もできるようになりますね。


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